マンガ原作にシフトしつつあるWEB小説業界(後編)と好き好きランキング


こんにちは、子どもが生まれてから戸愚呂40パーセントくらいの風邪をずっと引くようになった岡田です。

という訳で、マンガ原作のお話【後編】です。【前編】はこちら。

【マンガ原作にシフトしつつあるWEB小説業界】


【WEB小説からマンガ原作へ】

まずはじめに、あんまり微細に分析するコーナーではないので、大まかな、書き手の居酒屋トークで受け取って頂ければと思います。なので、「いや違う、こうだ」とか「私はこう思う」「保険見直すなら保険見直し本舗ぉお!」など何か感じるものがあればコメント欄などに残して頂ければと思います。それを眺めながら金麦でも飲みましょう。

そもそもこの話題を書こうと思ったのが、僕がコミカライズをした2012年からのこの5年間で、小説からのコミカライズだけでなく、WEBマンガを掲載する媒体が爆発的に増えたこと、そしてDeNaのマンガボックスにてツイッターでバズッた竹村優希さんのDear ほっくや、LINEマンガでお気に入り数がトップの黒井嵐輔くんの地上100階〜脱出確率0.0001%〜など、昔から知っている横並びの書き手さんたちがみーんなコミカライズしていることに「あれ、みんなどうしたの?」と浦島太郎みたいな気持ちになったことがはじまりです。なのでちょっと宣伝しておきましたよ。

【めっちゃ増えたよね、無料マンガアプリ!】

と言う訳でいよいよ本題です。「ちょっと聞いてよ!」「みんな知ってるよ!」って感じなのが、この5年でマンガアプリ・サイトがめちゃくちゃ増えたことです。めちゃコミやマンガボックスをはじめ小学館のマンガワン、集英社のジャンプ+など大手はもちろん、個人的に注目しているオリジナルマンガのGANMAや、あらゆる連載漫画からオリジナルまで読めるニコニコ静画にLINEマンガなど、多分全部のアプリ入れれば20年くらい家引き籠っていい時代です。

僕は高校生のときピークで8000冊くらいのマンガや小説を所有し、数万冊を超える作品を読みながら国分寺でナンパをしていた村一番のマンガ好きでしたが、今じゃスマホ一つでその百倍の最新作が読める豚になれるわけです。

当時は大抵の良作を読みつくした自信がありますが、ここ10年くらいで大卒、無職、就職、無職、出版、結婚、出産とマリオカートも真っ青の脱線ライフステージが変わるたびに追いつけていない実感があります。

あとこのブログ書くために調べるにあたり、奴隷区連載してたマンガボックスの母体がDeNaさんだって今知りました。

これはありがたいことですが、人気を頂くほど作品は手から離れていくもので、自分の作品が現在どこで掲載されているかわからなくなってきます。

【WEBマンガの成功】

この背景は単純に、マンガとスマホ(電子書籍)の相性が良いことと、WEB原作のマンガが売れていることにあると思います。

エブリスタを例にしても、大体3年周期で、爆裂ヒットするコンテンツが生まれています。いずれも小説です。

ところが、ここで小説だけの成功例ではなく、コミカライズも数にいれると、売れる可能性がさらに増えています。奴隷区がその典型で、小説版の売り上げは実はそこそこでしたが(それでも新人にしては随分刷って頂いています。)、コミック版はガツンガツン売れました。

掘り下げるともう一つ記事書けるくらい長くなるので簡単に終わらせますが、「売れる作品がおもしろい作品であることを前提に、おもしろい作品と売れる作品は違う」という一見矛盾した流れが出版業界にはあります。

まったく面識(多分)ないはずですが、僕が育児終わってチャンスがあれば、一度飲みながらお話を伺ってみたい水谷健吾先生の食料人類なんかが良い例です。原案は一緒でも作画や見せ方・売り方を変えるだけで桁違いに売れる例があります。これは僕個人結構びっくりした半面、書き手としてはすごく前向きな良い例だと思います。

これは書籍だけでなく商品を売ることにおいてすべて当てはまりますが、現代でミリオンいくほとんどの作品は営業さんをはじめ仕掛け人の力が絶対に大きいです。作者本人の場合であっても売れる商業作品は、仕掛け人が絶対にいます。

以上は独断と偏見ですが、結果として、今は小説だけでなく、コミカライズでもチャンスが増えた時代であり、むしろコミカライズのほうが安パイな印象すらあります。露出できる媒体も多いし、お客さんも多く、その導線もスマホの普及で確立されています。

【WEBに小説載せてる人の傾向】

ここはあんまりおもしろくないので飛ばして頂いてOKですが、作品傾向にもよりますが、WEB小説を書いてるクリエイターがマンガを読んで育ってることも、小説がコミック原作になる傾向に大きく関わっていると思います。

WEB小説を書いてるクリエイター層で、アニメ・マンガから影響を受けていない方のほうが少なく、WEB小説のクリエイターが書く小説あるいは作風と、マンガが好相性なのは、ケータイ小説文化が生まれたときから結びつけれていたまさに見えてる運命だと僕は思います。

また文章ならではの意図的な叙述トリックが含まれるような小説を除いて、コミカライズできない小説作品のほうが少ないです。

マンガは当たればでかく、また巻数も小説以上に出せます。当然小説にも実はマンガよりスピード感のある出版が可能であることなど出版物として優れた部分は多くありますが、手っ取り早く情報や物語をひも解く上で、マンガは時間配分においても優れています。

【余談】

先日とある編集者との会話で大変興味深い話を聞いたのが、「(漫画原作者で著名な)小池一夫先生の時代をはじめ、昔はマンガの原作者と作画さんの2人体制で一作品を作るのが普通でしたが、高橋留美子先生やあだち充先生という「天才」が出現した時代を機に、漫画家一人で描く作品が増えた」という旨のお話を伺いました。

そういった意味では上記お2人のような天才はもちろん業界には多くいますが、昔に比べて今は少なく、それがいわゆる黄金期だったのかもしれませんね。

最近、原作者がいる漫画が増える傾向は、「デスノート」が作ったと思っています。

バクマンという同作者の漫画を読むと話が早いのですが、ドラゴンボールのように鳥山先生一人で描いた「天才型」の作品が(ちょっと興行は残念でしたが)ハリウッド映画化になるのは例がありましが、デスノートのように原作・作画「共闘型」の作品が多くのメディア化に加え、海外実写化になる例はそれまで僕は知りませんでした。また一度ヒットを出した大抵の人間が通る「二作目のヒットの壁」を、「共闘型」の書き手さんが突破したのも、珍しい例だと記憶しています。

【終わりに 傑作は万人の人生にあり】

僕が信じているのは、「傑作は万人の人生経験にあること」です。

これを読むどんな方にも一作品は傑作を書く力があります。これは歌詞活動なんかもそうで、文章のスキルに自信がなくても、マンガやドラマや映画が好きでやる気さえあれば、大抵どんな方でも一作品おもしろい作品は必ず書けます。その証明が誰でも書けるWEB小説の台頭です。

しかしここからが厳しいのが、二作品目もおもしろいもの・売れるものが書けるかどうかが、プロと素人の分かれ目です。

誤解を恐れずに言うと、絶対に100万部売れる作品を1作品生み出すより、絶対に30万部売れる作品を3回生み出すほうが、僕は難しいと思います。

ヒット作を出した大抵の作家さんが、この「二作目の壁」にぶち当たり、さらに振るいにかけられているのは、昭和の出版業界から今も常に続いています。いわゆる一発屋になるかどうか、僕も含め、WEB作品を書いている方もこの典型で、これを気持ちよく通過しているのは、最近だと望月麻衣先生だと思います。

あらゆる可能性が秘められた業界でありつつ、僕個人は、原作者・作画家・編集者が「この作品が人生最後だ」と臨終只今で制作している漫画が極めて少なく感じます。

その原因は日常にもある油断や怠惰、「妥協」に感じます。「作画さんがうまくやってくれる」「編集さんがうまくやってくれる」「この作者にまかせればなんとなくヒットが出る確率が高いだろう」と、どこかチーム内の他の力を当てにしている傾向が正直多いと感じています。

作品は我が子とよく言いますが、そんなの嘘です。本当に生命在るものと思って、最後まで我が子を大事にして、信じている作り手が今WEB媒体では少な過ぎるからです。

僕は今「俺が売るんだ」という一人立つ執念で、異能メイズ、ウエポンギーク、大奴隷区という三つのマンガ作品に関わらせて頂いています。

業界が盛り上がることを祈念して、この記事が皆さんの息抜きややる気に少しでも繋がれば幸いです。


【異能メイズ 好きなキャラランキング】


イエーイ! フッフー!

というわけで、原作者が勝手にやった特別非公式企画、現在少年ガンガンで好評連載中「異能メイズ」(作画山田J太先生)における、原作者岡田伸一が大好きなキャラのランキングトップ5です!


第五位『二宮ユウヘイ』同『花牟礼サエコ』
ユウヘイ

「知っている! 自分も死にたいと思うことは何度もありました!」
いきなり主人公とヒロインです。デス作品を書くに辺り、いろいろと抵抗がある中、背中を押してくれたのが「すべてを救おうとする」二宮ユウヘイと「だ」しか言わないサエコさんでした。この主人公とヒロインあって異能メイズという理不尽なデス状況が、他のデス作品と一線を画す要因に、僕の中ではなったのです。二巻において、上記セリフの後のセリフが、僕がユウヘイを通して、本作で表現したかった「生き抜く」というコンセプトです。


第四位『木皿タケル』
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「君たちがいる場所で事件が起きているんじゃない、事件が起きそうな場所へ自ら突っ込んでいる訳だ」
犯人によって息子の心を壊された刑事です。作中である凄惨な拷問に耐えるのですが、その拷問を考えたとき「果たして子どものためにここまでするか?」と考えたとき、私はすると思いました。そのときから父親としての感情移入を預けたのがこの木皿刑事です。

第三位『オトギ姉妹』
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「美は力! 醜は罪! オシャレは我慢!」
典型的ないじめっ子として登場した、意地悪な三つ子ですが、山田先生が描くとまあ美しくてカワイく、一発でファンになりました。できればスピンオフを描きたいぐらいです。

第二位『松本シズネ』
シズネ
「死ぬ、人は絶望で簡単に死ぬの」
こちらも山田先生に描いて頂いている姿がとにかくかわいくて、ちょいちょい幼少期姿も登場しますが、お気に入りです。実は今よりももっと重要で登場やセリフも多かったのですが、ボリュームの関係で泣く泣く割愛しています。兄のレンくんも同じくらいお気に入りです。

第一位『大河内ミツヒデ』
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「僕にはいる! 優しいママも、偉大なダディも! 愛してくれる人がお前より多いんだよ!」
序盤に登場する主人公ユウヘイの親友、ミツヒデです。気持ちのいいほどのクズっぷりで本作の発進を飾ってくれた功労者であり、ミステリーの重大なヒントも残してくれます。

以上! 来月の異能メイズ掲載予定、『新章』もお楽しみに!

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ユウヘイ


岡田伸一/あれぁれぁ
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マンガ原作にシフトしつつあるWEB小説業界と異能メイズ休載


こんにちは。KARAが解散したことを昨日知った岡田です。

前回のブログ【アニメ化に際しフォロワーが減った話】が、一人二人反響あればうれしいなあと思っていたら、思いのほかツイッター上でご反響頂き、今日もブログを更新しました。

宣言通り、引き続き今いる業界についてお話しようと思います。

基本的に、読者の方は「ふーん、書き手ってこうなんだ」と一つの職業のお話を覗いて頂き、同じ業界の方はプロアマ問わず、何かプラスになるものを持って帰って頂ければ幸いです、という気持ちで書いているので「何かちげーよ!」と思ったら、まあ好き放題コメントにでも書いてください。

ちょっと長くなりそうなのでまずは前編とします。

【マンガ原作にシフトするWEB小説業界 前編】

はじめに、「エブリスタ」や「小説家になろう」、「カクヨム」「野イチゴ」あと最近の媒体もわからないのであったら教えて欲しいくらいですが、いわゆるスマホ小説、携帯小説と呼ばれる媒体をここでは「WEB小説」と総称しています。

また一人の小説家・漫画原作者の視点としてのコラムになるので、ここで述べている以外にもあらゆる方の努力・やさしさ・ご寵愛と、多様な視点があることを予めご了承ください。

【そもそもマンガ原作者って何?】

僕は自分のことを、例えば保険に入るときなんかは肩書を「作家」と書きますが、仕事を受ける際などは「小説家・漫画原作・シナリオライター」と言います。

妻の友人に自己紹介するときなんかは「小説書いてます」とか「奴隷区の原作者です」と言います。

すると大抵「漫画家さん?」と聞き返されるので、世間での「漫画原作者」という職業の認知は決して高くないと思います。

漫画原作者の役割をカッコよく一言で言うと、マンガのブレイン(脳です)。漫才で言えばボケでもツッコミでもなく、そのネタを作る人間です。

それでいくと皆さんの目に最も入るキャラクターや背景など、絵を描いている作画(漫画家)さんは筋肉、骨、心臓といったルックスを含む脳以外のすべてであり、例えば編集さんや営業さんは僕らの仕事の仕方やマンガそのものをデザインするトレーナーでありコーチでありマネージャーでもあります。

個人的には、一冊のマンガにおいて、花形は漫画家さんであり、僕らは影の仕事人だと思っています。(結構ずいずい前に出ていますが)、その役割の比率は〝掛け替えのない1%〟です。

残り99%を形作っているのは、漫画家さんであり、編集さんであり、詰まるところ読者の皆さんでもあります。

「1%なら楽そうじゃん」と言われたらそうでもありません。オーケストラにおけるシンバルのように、叩く回数は数回でも、責任は指揮者と同じように重大です。

【マンガ原作のお仕事】

台本のような脚本・あるいはマンガの設計図であるネームを作ります。

ビル建設で例えると、建設する土地が出版社(媒体)であり、その地にどんなビルを建てるかを設計して、詰まるところだと色の指定や内装の趣きの指定、骨組みを組むまでが原作者のお仕事です。そこから漫画家さんが実際に組み立てるのが基本です。

媒体にもよると思いますが、編集さんは双方のその仲介をしつつ、ビルを俯瞰(天上から客観的に見張るイメージ)で確認して、指示を出します。さらにこのビルにどんなお客さん(読者)を招くかなども原作者と編集さんのお仕事かもしれません。

よく聞かれるのが「儲かるの?」というお金の話ですが、当たり前なのが売れないと儲かりません。別のお仕事しながら兼業でやってる方も多くいると思います。

多分、漫画原作者という肩書きで、漫画が1冊10万部売れた場合、これは文筆業界では大成功ですが、年間では30代サラリーマンの年収よりやや低いくらいです。

ただそこからこの仕事のメリットにあたるのが、例えば月刊誌でも2年間でおよそ5冊出せるので、これによってサラリーマンの2年間の収入の2倍を超える計算になります。(出版社や契約内容にもよるので目安程度に受け取ってください。)

ただし当然、漫画は1巻よりも2巻にかけて徐々に売り上げが下がっていくので、そううまくいことばかりではありません。

そして売れる漫画を書く方法なんて僕が知りたいくらいなので、売れるまでも売れてからも死闘であることは強くお伝えしておきます。

売れるお話はまたいつかさせて頂ければと思いつつ、さらにここで漫画原作の強みなのが、複数の仕事を容易に受けられるところです。

【マンガ原作業のメリット・デメリット】

僕は2015年と16年、ピーク時は、まったく別の小説と漫画作品を5企画同時に進めていました。

多分、育児しながら派生ではなく別の商業企画を5作品同時進行した作家は、今現在の日本でも東村アキコ先生くらいだと思います。(原作担当ではないし他にもいらしたら教えてください。)

他の専業の漫画原作者さんにおいても、同時に3作品動かしている漫画原作者さんなんかはざらで、人気シリーズの派生作品を6作品執筆しつつ、小説や他の作品も書いてる方もいます。いずれも今現在も、水面下ではもっと書いていると思いますが、結果として漫画原作の執筆は(気合いと運があれば)複数進められます。

ただ個人的にはあんまりこの複数連載は、特に新しくこの仕事をする方にはおすすめしません。僕は川端康成の「文章は命のペン先に血をつけて描く」という言葉が好きなのですが、小説・漫画問わず、一筆入魂に勝る執筆の姿勢はないと思います。

デメリットとして、一つの作品に向き合う時間が減ってしまうのと、今の時代は読書や資料制作はもちろん、SNSの繋がりや市場調査など、執筆以外の時間も大切だからです。

僕自身も現在、ウエポンギーク、異能メイズ、大奴隷区という漫画作品の原作執筆に加え、近々長編小説の刊行を予定しています。

これは長い時間の中で書き溜めた作品も断続的に書籍にさせて頂いたり、水面下で数年単位の打ち合わせを繰り返して、多くの準備期間を経て複数の連載に至る場合がほとんどです。ありがたいことに仕事を入れようと思えばさらに入れられますが、現状の執筆作業はここでストップすることにしました。

その代わり、それぞれの作品のコミックが出たときなど、書店への営業やSNSでの宣伝作業などに力を入れて「ちょっとだけ営業ができてフットワークの軽い原作者っていうか何でもやる人」という自分の付加価値を大切にしています。

これは、自分より文章がうまい小説家や、自分より安定感のある脚本を書ける原作者はいるけど、自分だけにしかない能力は何だろう? と考えたときに、「作品を売るバイタリティ」、そして「どんなピンチにも笑いながら絶対に諦めない執念」にあると自己診断して行き着いた、社会人としての一つの価値でした。

話が少しそれましたが、このように漫画原作は複数の企画を進めやすいというメリットと、頑張ってる岡田がいます。

かなり長くなってしまったので前編はここまです。次はいよいよ「マンガ原作の現在と未来編」(仮)です。続きます。


【異能メイズ休載のお知らせ】

ガンガン

本日月刊少年ガンガン発売ですが、異能メイズはお休みを頂き、来月号にて新展開を迎えてお届けする予定です。

下記の無料一話や、①巻と②巻も発売中ですので、是非よろしくお願い申し上げます。

(もうちょっと異能メイズについて書こうと思いましたが、次回などに延期します。すみません)

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メイズ

アニメ化に際してフォワー数が減った話とエブリスタの過去現在


こんにちは。汗ばむ陽気で、選挙もはじまり、少し落ち着かない10月ですが、皆さまお元気でしょうか。

最近、ちょっと自分の奥さんのことを「家内」って言ってみたいけど、老後までとっておこうか迷う岡田です。

引き続きアニメ化の話題で恐縮ですが、ちょっとWEB小説の歴史を振り返りながらお話していこうと思います。

【アニメ化に際してフォワー数が減った話】

アニメ化の反響って凄まじいもので、現在放映中の王様ゲームにおいても、放映前からいろいろと反響があったと聞いていましたが、奴隷区においても発表直後から多くの方からお祝いのメッセージやお電話を頂いています。

「これはツイッターのフォロワーさんが増えるチャンスや!」とちょっと下心で右の口角が吊り上がった直後、なんと!

減ってました。

ミニミニ☆フォロワー離れ祭りが起きていたのです。

むしろ少し気持ちがわかるというか、僕のように大奥の嫉妬心で出来た男もまさに典型なのですが、宣伝や商業的なツイートの頻発、あるいは人のサクセスが伴うニュースって、ツイッター上でどうしても嫌われる傾向にあると思います。

なるべく気を付けていますが、僕も人さまの「重版」や「受賞」、「映像化」のニュースを見ると「キーッ! なんでミーにノーベル賞がこないの!」とジェラシーを込めて「えへへ、おめでとう!」や「いいね!」と笑顔で打ってます。

そんな話を家内にすると「多分、みんなあなたのことも内心そう思ってるよ」と言われ、埼玉で一番我が子のおむつを替えているという誇りしかない自分なので複雑な気持ちで気持ちの悪い笑みを浮かべるに尽きますが、次の瞬間には自分の環境のありがたさと、他人ではなく昨日の自分と比べて「俺もがんばろう!」と思うわけです。

あとやっぱ家内って照れくさいですね。

フォロワー離れと関係あるかどうかもわからないし、ただ岡田がうざくて離れただけかもしれませんが、本質として人の成功は妬ましいものかな、と話題にしました。

ですが横並びのライバルの成功って、実は良いことばかりだったりします。業界が盛り上がるわけだし、それって最終的には自分の道が切り開かれてるんですよね。


【エブリスタの過去と現在のお話】


そこから少し、もう10年以上居る身として、エブリスタを中心に小説投稿サイトと書店の、ここ5年間の変化について残しておこうと思いました。

例えばエブリスタ出身の作家さんが活躍するのって、実は直結して同じ場所で書いてる自分達にとっても大事なんですよね。

昔からありがたいことに、奴隷区はもちろん、王様ゲームを叩くクリエイターが多かったんですが、一つ大事なことを言うと、王様ゲームのお陰で書店における携帯小説(スマホ小説)のコーナーが増えたんです。(最近は日本文芸のコーナーにも置かれてます。)

僕が「僕と23人の奴隷」という初の単行本を出した2012年初頭、今でも覚えている唖然とした光景が、自分の本が置かれているところを見たくて、新宿にある有名大型書店に意気揚々と一人で営業しに行ったときのことです。

自分の新作は背表紙で一冊だけ棚に刺さり、携帯小説枠の棚はミランダ・カーのように細い棚に置かれているのみです。ちなみに恋愛作品が9・9割でした。

その後もいくつかの書店に営業しに行きましたが、僕より前に出ていたWEB発の書籍はまったくと言っていいほど居場所がない様子で、良くてエンタメコーナーにちょこんと刺さり、平積みで見たのは当時王様ゲームだけでした。

「おいやべーよみんな、もっとしっかりしないと本全然置かれてねえよ!」と周囲の書き手に結構言った覚えがあります。

しかしちょうどこの頃から後に、王様ゲームはもちろん、みゆ先生の通学シリーズがホラー・恋愛枠でミリオンセラーとなり、少し空いて、太田先生の櫻子さんシリーズもヒットし、現在では望月先生の「京都寺町三条のホームズ」シリーズも大ヒットしています。

コミックヒットの恩恵も大きく、そのお陰で、WEB初の小説作品も、一般文芸と隔たりなく置かれたり、文庫レーベルなど書き下ろし作品と一緒くたに出版されるように変化して今に至ると僕は感じています。

(補足しておきたいのが、コンテンツを創った作者はもちろん、各出版社の編集・営業さんの年輪のような努力の賜物だと僕は思います。)


【おわりに】


仲間とすらなかなか思えないかもしれませんが、同じ場所で小説を投稿している者同士であり、仲間の活躍はいろんな気持ちで眺めていると思いますが、先駆の成功によって、次に自分の道が開かれてることがこの業界では多くあります。

くやしい気持ちすらも文字にするのが我々の生業でありむしろ良質の糧になります。良作の執筆と目の前の読者を喜ばせることができるのが、素敵なことかもしれませんね。

ちなみに、フォロワー数の件のオチを言うと、減ったと思った直後、さらに多くの方に注目して頂き、結果ちょっぴり増えてました。

こんな岡田ですが楽しんでもらえるよう頑張りますね。

愉しく書かせて頂いたので、こういった内容でよければ、今後は小説から漫画原作傾向にシフトをはじめるWEBライティングクリエイターについてなんて書ければと思います。1人や2人でもご感想やご意見等頂ければ嬉しいです。

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次回予告は【異能メイズのお話】

今月11月号の少年ガンガンは、異能メイズ本編がお休みなので、原作者の私が少し作品を振り返ろうと思います。お楽しみに。

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ユウヘイ

奴隷区アニメ化の御礼とウエポンギークのぶっちゃけ話

無題

岡田伸一/あれぁれぁです。

【奴隷区アニメ化の御礼】

まずは奴隷区アニメ化企画進行中ということで、改めまして、オオイシ先生に双葉社の編集さんや営業さんをはじめ、関係者の皆々様、そして長年応援してくれた読者の皆さま、ディスりながらも手に取ってくれたそこのあなた! どなたが欠けても今の結果はあり得ないと思います、本当にありがとうございます!

順調に企画進行中です、詳細は追ってお知らせしますので引き続き公式サイトや岡田伸一・オオイシヒロト先生・双葉社のツイッターをたまにチェックしてみてください。よろしくお願い申し上げます。

双葉社公式ツイッター
オオイシヒロト先生ツイッター

LINE漫画奴隷区10話無料

奴隷区アニメ企画公式サイト

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【ウエポンギークのお話】

ニコニコ静画【1-2話無料】

多くの反響と数字を頂いています、連載中のコミック「ウエポンギーク」(作画:華尾ス太郎)です!

◎あらすじ

〝好き〟が〝力〟になる。

特権を与えられたオタク=ギーク(図鑑士)という職業がある世界、突如現れた新大陸「死国」がはじまりの舞台。調査に訪れた邪神図鑑士(アイドルギーク)のアズリエラ・ゴッドフリーは、魔人との交戦中、クロカミという謎の人物と出会う。クロカミの正体を巡る過去の回想と共に、上位生命体にして法律に守られた「殺してはいけない強敵」魔人に、どう立ち向かうのか……!?


◎ウエポンギークの世界観

ウエポンギークの世界のエンタメとしての嘘は「マニアドウィルス」という要素のみで、実は私達の世界の情緒とあまり変わりありません。作中で明確に表記していますが、私達が住む世界の千年後が舞台です。よって、人口問題、紛争、難民、各国の政治的関係など、どこか2017年現在の現実世界の情緒を思わせる要素をエンタメ作品として反映しています。

◎ウエポンギークの過去と未来の主人公

奴隷区や少年と老婆という小説作品から一貫する岡田伸一らしい構成で申し訳ないのですが、より短いシナリオで複数のキャラクターの人生の一部を描くのを目的に、本作の4話くらいまでは過去編と未来編の行き来という映画的な手法をとった構成で、理由をものすごくぶっちゃけると、連載漫画は打ち切りが一番怖いので、本作は初めて、かなり短期決戦を意識して序盤から飛ばして制作しています。

また奴隷区のときと同じ意見が目立ちます。それが「主人公は誰なのか」というご意見でしたが、断言すると過去編が「アトラ」という人物の視点で描かれ、現代編が「アズリエラ」の視点で描かれています。

混乱するというご意見もあり、素直に反省して今後に生かす所存ですが、目的の一つとして単行本で読んだときに改めての発見を楽しんで頂けるよう、複数回読んで楽しめるよう考えた構成ですので、1巻発売時にまた改めて「やっぱダメじゃねえかよ!」など正直な意見を頂ければ幸いです。けど今後単行本を手に取って頂いたとき、ものすごくおもしろくできてると思います。

◎反響

衝撃的な一話ラストの反響が凄まじく、また上記構成についてなど、ニコニコ静画におけるコメント機能では大いに荒れています。友人の書き手さんに「よく耐えられるよね、タフな心臓じゃなきゃ(コメント欄を)読めないよ!」と言われるほど客観的に見ても荒れてるそうです。

結果から言うと、読者の意見は宝です。いたずらに中傷しているコメントも多く見受けられますが、個人的には無風の作品ほどまずいものはないので、ありがたい限りです。また長年WEBで創作物を提供しているので、厳しい意見もしっかり受け止めてきました。同時に、連載作品において一度書いたものってやり直せないので、その過去の展開に意味を見出し、さらにおもしろい展開を創るのも、我々書き手の力量と責任だと思います。

そして熟考して世に送り出したものであれば、自信をもって提供するのも、作り手として大切な要素です。なので引き続き楽しんで頂けるよう、誠心誠意のウエポンギークの原作を執筆して参ります。

と反省はここまでで、何より、私は華尾先生が描く本作が大好きで、第一のファンです。扉絵などのセンスをはじめ、魅力的なアズリエラ、特に敵の描写など、読みやすく、わかりやすい表現で描いて頂いています。本作を描く中でさらに美麗な描写になっていくのを感じ、誰よりも楽しみです。

お陰様で反響が凄まじく、2話時点でお気に入り登録が10000を超え、「おもしろい」「続きが気になる」など、嬉しいご意見も本当にたくさん頂いております。

この漫画戦国時代に充分値する、漫画として価値的な作品です、読んで頂いてる方も、はじめて読む方も、引き続き、アトラ、シンラ、ミリア、そしてアズリエラの冒険にお付き合い頂きますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

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異能メイズ2巻発売における感謝

異能メイズ①
ダウンロード

▼異能メイズという作品と関わって頂いている方への感謝

山田先生に異能メイズを描いて頂いたことが僕のキャリアの幸運の一つです。

3年近く前にガンガンの担当編集さんと能力もののダークサスペンスの企画の相談をし始め、いくつかの犠牲(ボツ)を経た後、異能メイズのプロットが出来てきました。

ちなみに1章の砂の異能編の内容は何度も何度もリテイクを繰り返したのをよく覚えています。多分今までの仕事で最も書き直したのが異能メイズの1章と現在連載中の3章です。

とにかく1章が形になった頃に、山田先生に描いて頂けるお話を頂いたかと記憶しています。

ユウヘイのキャラクターデザインや、サエコのデザイン、また幕引きの早いキャラクターにおいても、生き生きとした描写で、魂を吹き込んで頂きました。

現在いくつか漫画連載の原作として関わらせて頂いていますが、ネームやゲラと、真っ先に最新話を読めるのが原作者として役得であり、この仕事をやっていてよかったと思える嬉しい瞬間です。

山田先生の原稿においても、毎月のように担当さんと「ここがすごい!」と感動のやりとりをしております。

この場を借りて、山田先生はもちろん、担当編集者のN氏、営業の皆さま、デザイナーの皆さま、そしてガンガンを読んでいる読者の皆様に、ハガキ職人の皆さま、心より御礼申し上げます。

▼少しだけキャラクターのお話

主人公のユウヘイは、勇気と平等が名前の由来で、人物像は「自分だけ楽になろうとするのはエゴだけど、自己犠牲だけもまた偽善」という哲学的なジレンマから「自分も他人も助ける」というコンセプトで生まれました。そんな少年が、異能メイズに挑む姿を描きたかったのが作品企画としての1つの出発点です。

ヒロインのサエコさんは、ユウヘイの導き役であるのと同時に、復讐に生きる少女として物語のエンジン部分をまかせています。「だっ」としか言わないのは、可愛さのギャップが欲しくて、クレヨンしんちゃんのひまわりのイメージからヒントを得ました。

実は最も近いキャラクターは2巻に登場する松本レンというキャラです。二人は似たマインドの持ち主であるのと同時に、ユウヘイと傍にいたかいないかで、レンとサエコさんは違う運命をたどります。この辺りはガンガン最新号を読んでいくとじょじょにわかると思います。そうです、宣伝です。

▼漫画のお話

若い子たちが命を落とす凄惨な世界観ではありますが、むしろ各人物の性格やその人生など、皆さんに愛して頂けるよう、担当さんと相談しながら一生懸命制作させて頂き、山田先生が最高のかたちで表現して頂いております。

戦乱期の漫画業界の中、こうして読んで頂き、ご縁を頂くこと自体がありがたいお話です。

まだまだユウヘイとサエコを通して表現したい展開がございますので、引き続きどうか応援をよろしくお願い申し上げます!

という訳で、本日、異能メイズ2巻が発売しました! そうです、宣伝です!

蜂の異能編、ダイヤの異能編、そしてパンチラ神経衰弱を収録した恐怖と笑いが入り混じった2巻です!

「ダ」しか言わないヒロイン、花牟礼サエコの恋と、新キャラ「7万円をくれる大金持ち」松本レンの活躍も是非御覧ください!

コミックス2巻、7月22日発売記念で第6話までニコニコ静画内で連載決定!!
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